3. 密教のキーワードを体感する切り口
from 法話ヒントとしての滴シリーズ活用案
3. 密教のキーワードを体感する切り口
真言密教の難解な教えを、歌の情緒を通して直感的に聴衆に伝えるための切り口です。
密教キーワード
歌集の焦点
法話の導入歌(例)
説くべき教えの核心
三密(身・口・意) 照滴・宝滴
照滴002:手を結び口に真言 心(むね)に阿字 我れはみほとけ みほとけは我れ
「手の印(身密)」「真言(口密)」「心に阿字を観じる(意密)」の三業を整えて三密とすることで、仏と一体となる密教の根本原理。
法界縁起 露滴・照滴
露滴089: 蚊のまつ毛の先に止まれる焦螟の その毛の先に浄土ありけり(列子_湯問)
極微の一つに無限の世界が宿るという華厳の思想。私たちの日常の全てが仏の顕現であるという悟り。
大悲の涙 露滴・滴塵
露滴110:何故に頬を伝うる涙かな かよわきものをただ慈しむ
自己の苦から流れる涙が、やがて他者の苦を慮る慈悲の涙へと変わる、菩薩への心の進化。
仏性の肯定 新滴・露滴
新滴042:身は曼荼 血脈流る あらはしゃのう 聲は真言 骨は舎利とぞ
新滴044:血潮には極微(ごくみ)の明王在(ま)しまして 五体を廻り宇宙(そら)を震わす
新滴045: 五尺の身は仏の在(ま)します大曼荼 菩薩は笑い 明王は瞋る
私たちのこの肉体(五尺の身)そのものが、仏を宿す清浄な「曼荼羅」であるという、究極の自己肯定。